旧京都大学付属農場建物群を、歴史教育拠点施設として改修する設計を手がけています。

設計:2018- 2019 / 建築工事:進行中

所在地:大阪府高槻市
用途:体験学習施設、飲食店
延床面積:1100m2

協働:一級建築士事務所expo、京智健建築設計事務所
構造:門藤芳樹構造設計事務所
設備:幹設備設計事務所

計画概要

大阪府高槻市に昭和5~8年にかけて建設された、旧京都大学付属農場建物群を、都市公園の中の歴史教育拠点施設として活用する計画である。安満遺跡は、約2,500年前に開かれた環濠(かんごう)がめぐる弥生時代の居住地や水田、集団墓地などが見つかるなど、当時の近畿地方の社会を知る上で極めて重要な遺跡である。また既存の農場建物は、京都大学建築学科一期生でありその後、京都工芸繊維大学の教授となった大倉三郎が設計した貴重な近代の建築遺産であり、文化財への登録が予定されている。

高槻市は旧京都大学付属農場の移転に伴い、その跡地を含めた一帯を「安満遺跡公園」として整備し、弥生時代の安満遺跡を保存・活用するとともに、防災機能を備えた、緑豊かな公園を目指す取組を進めている。本計画では、弥生時代の遺構の上に重ねられた近代建築遺産という稀有な歴史的コンテクストを生かし、二つの時代のレイヤーに現代という新しい時代のレイヤーを重ねることで、地域の豊かな歴史を感じられる場所となることを基本コンセプトとして掲げている。

改修後の建物は、出土物の展示室や、当時の暮らしや生活を体験可能な工房、カフェレストランなど、誰もが気軽にアクセスでき、様々な市民活動をサポートする多目的な公園施設となる。建物同士をつなぐ動線計画にも配慮し、民家の縁側のようなテラスやアプローチを建物に隣接するように設け、点から線へ、線から面へと、一体的な敷地計画を行う。公園の訪問者が散策の途中で立ち寄れるよう、建物の外部も気軽に利用可能な場所とすることで、高槻市民に愛されてきた旧農場の風景が日常生活のなかで受け継いでゆかれることを目指している。


2019年に行われた公募型プロポーザルにおいて、expo京智健建築設計事務所とのJVチームで採用され、2021年のオープンに向けて現在もプロジェクトが進行中である。