左官仕事@スペイン

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相変わらず進まない手続き関係に街を右往左往する毎日ですが、その道すがらいろんな職人さんの仕事ぶりを目にします。日本と共通するものがあったり、まったく違っていたり。建材屋さんに入って、道具や建材の品揃えを見るのも楽しい。

日本の左官道具はとにかく鏝(こて)の種類が豊富で、基本的に鏝で形を整えて仕上げをしますが、こちらの左官道具は鏝の種類が少ない。というのも鏝は材料を壁に塗り付けるだけの道具で、仕上げはその材料を削り取って行うことがおおいからです。だから削り取る道具やノウハウに見るべきものがあるはず、と狙いを定めています。

ある建物の外壁部分。平滑に仕上げた壁の表面を削り取って、模様を浮かび上がらせている。色はペンキで着彩していることが多いが、素材の質感にはそれほどこだわらないようで、その点は割り切っています。

こちらの写真は建物のエントランス部分。腰壁部分は大理石やタイル張り、その上部が左官仕事、というのが一般的ですが、腰壁の大理石に見える部分も実は人造大理石で、ヨーロッパに古くから伝わる左官仕事です。

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3 Comments

  1. minorio

    おもしろーい。
    かなりきれいに見えるんですが、スペインでは
    このくらいの仕事は当たり前なんでしょうか?
    どうやって削るのかも興味あります。
    またレポートして下さい!(^_^)/

  2. もりかず

    結構いい仕事がしてありました、ここは。作業としては塗るより削るほうが精度が出やすい、ということもあると思うけど。職人さんの技量は日本以上に千差万別、といったところ。素人並の人もたくさんいます。

  3.  初めまして。貴ブログは人造大理石検索中に偶然辿り着きました。まだ、すこし見ただけですが左官的な記事・写真に感動しました。早速お気に入りに登録します。この後ゆっくり堪能させて頂きます。ありがとうございます。これからも益々ご活躍ください。
     亡父から聞いた寸話ですが、国会議事堂施工時、沢山の人造大理石を造り用いました。その製作物の一部でマントルピース及び腰壁を施した家が鎌倉にあります。家主に天然大理石よりも余程価値があるからと説いた処、大切にして現存しているとの事です。

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