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このサイトで過去にも紹介していますが、バルセロナにはカタロニア・ボールト工法という独特のレンガ工法があります。アントニオ・ガウディの建築の造形が基本的にこの工法をもとにしてつくられているのはよく知られていますが、特にガウディの建物でなくてもバルセロナの街のあちらこちらで、そのレンガによって生まれる曲線を目にすることができます。その特徴が一番よく現れるのが階段、ということで本日はバルセロナ市内の色々な階段を紹介。

これはバルセロナの職人養成学校「ガウディ・インスティテュート」を見学した時に見せてもらった実習用の階段。レンガの描く曲線の連なりで、階段が支えられている。

これはバルセロナ近郊タラッサの街の市場の階段。

シウタデリャ公園東側のポンペウ・ファブラ大学の図書館の階段。(かつては公園の噴水に水を供給するための貯水槽として建てられた建物で、学生時代のガウディが構造設計を手がけたとして知られている)

螺旋状に上に続く様子が美しく、またレンガのアーチ面の接合部の様子なども詳しく観察できる、貴重な階段。

我が家の近所の集合住宅の階段。

こちらもご近所さん。それぞれ、微妙に違いがある。

こちらも近所にある階段。アーチを連ねるのでなく、滑らかに連続させた三次曲面が美しい。

こんな風に上までつながっていく。

見上げたところ。

エスグラフィアドという漆喰彫刻が施された階段。

見上げ。

ボルン地区にあるチョコレート博物館の建物の階段。幅が広く、ダイナミック。

たぶん、昔のバルセロナのレンガ職人は、いかに美しい曲線で階段をつくるか、ということで腕を競い合っていたんでしょうね。「あいつのつくった何処何処の階段、やべーぜ」なんていう会話を交わしながら仕事していた当時の職人たちが目に浮かぶ、そんなバルセロナの個性的な階段たちです。