レンガ建築めぐり@タラゴナ周辺

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バルセロナ滞在も残り少なくなる中、カタルニアの田舎にあるためなかなか訪れることが難しいけれどぜひ見ておきたい建築があったので、バルセロナ在住の建築家夫妻小塙さん藤井さんと、同じくバルセロナ在住レンガ職人谷口夫妻とともに、先週末の土曜日に日帰りの小旅行に出かけました。

朝九時半という、スペインにおいてはかなりの早起きをして集合、バルセロナから車で南西に二時間ほど、ガンデサGANDESAという街に向かう。

最初に訪れたのはガンデサの街の中心にある、ワインの共同ボデガ(醸造蔵)です。1920年完成、ガウディの弟子にあたるセサル・マルティネイcesar martinellの設計。セサル・マルティネイはバルセロナではあまり知られていませんが、カタルニアのあちこちにワインのボデガをたくさん設計して残しています。今日の訪問先はその代表作と言ってもいい二つの作品です。

事前に問い合わせると(ウェブサイトあり)、団体客以外は昼の十二時に案内してもらえるということだったので、その時間に現地へ到着。まず、内部に入ると、こんな感じ。ここは中央にブドウの絞り機が据え付けられている。そして、レンガのアーチとレンガボールト屋根の大空間。

すぐ隣の棟に入ると、こちらはワインの醸造タンクが並んでいて、そのタンクの隙間からアーチを並べて、レンガボールト屋根で覆っている。

ブドウが発酵する時にだす熱を逃がすために、換気用の窓がボールトの隙間に設けられている。この小さな窓まで、アーチ型をしているのがかわいい。

次に向かったのが、ガンデサの街からほど近い小さな集落ピネイ・デ・ブライPinell de Brai。

集落のある小山の麓に、いきなり立派なボデガがそびえ立っていた。こちらも一般公開しているので、見学は可能。着いたのが昼休みの時間で、4時の開館に時間があったので村のレストランでがっつりと昼食、そして見学を開始。

内部はこんな感じ。レンガのアーチで屋根を支えるのは同じだけど、ここの屋根は木造瓦葺きの切り妻屋根になっている。小さな村なのに、建物の規模はガンデサより大きく、ダイナミック。

まるでレンガの林のような内部空間。

足下には、ワインの醸造タンクが並んでいる。こうしたボデガでは、たいてい売店が併設されていって、ここでつくったワインはもちろん、チーズやソーセージ、蜂蜜など地域産の美味しい食べ物を安く購入できる。我々も、まんまとワインやオリーブをてんこ盛りに購入。

ガンデサ方面から車を飛ばして、タラゴナ方面に走る。次の目的地は、同じくガウディの弟子であるジュジョールの教会。

ブドウ畑が広がる平原の向こうに、特徴的なシルエットの建物が見えてきた。その名もモンフェリ村Montferriのモンセラット教会Santuari de Montserrat。

スペイン内戦などでしばらく未完成のまま放置されていたが1980年代に再び着工して1999年に完成した。

レンガのアーチがいくつも宙に向かって立ち上がり、その間を埋めるレンガの隙間から、色ガラスを透して様々な光が差し込んできていました。入り口に立ち止まって、あまりの美しさに言葉を忘れるほど。

一番奥の祭壇部分の、複雑なレンガのリブ。イスラム建築のドーム、イランのイスファハンの金曜日モスクで見た複雑なレンガの模様を思い出す。

この建物は、バルセロナの建築に特徴的な赤レンガ造ではなく、灰色のコンクリートブロックでつくられている。しかも工場で大量生産したものじゃなくて、現場で村人や職人さんがセメントと砂を練って一つづつ型枠に入れてつくった、素朴な手製のレンガ。

教会に展示されていた、レンガをつくった時の型枠。要するにこの建物は昨年滋賀県大でつくったドームと同じプロセスでできていて、あの工法をジュジョール流に突き詰めたところにこの建築がある、と考えるとひときわ感慨深い。

教会の敷地の裏から教会を見上げる。小高い丘から突き出すように建てられている。

ブドウ畑には、もう秋の収穫に向けてブドウがたわわに実っていました。

モンフェリ村から車で30分ほど、ビスタベリャ村に向かう。村の中心地近くにあるビスタベリャEsglésia del Sagrat Cor de Vistabella教会に到着。

こちらの外観は、レンガを一部に使いつつも、基本的には村の周囲で採れる石を積んで建物を造っているようだ。

到着が約束していた七時よりも遅れてしまい、結局内部は見学できませんでしたが、ジュジョールの手がけた二つの教会を何とか目にしておくことが出来ました。この四つの作品は、ガウディ以降のレンガボールト建築の展開を見る上でも、とても重要な作品。かなりの田舎を走るので、レンタカー、しかもナビ付きの車が無いとなかなか効率よく回れないですが、ぜひ訪問してみて欲しい建築です。

ということで、今晩の我が家の夕食は、サンタカテリーナ市場で買った新鮮なトロとサーモンでつくったお寿司と、ガンデサのボデガで買った白ワイン。とてもフルーティで爽やかな味わいのワイン、こちらもおすすめです。

 

 

 

 

2 Responses to “レンガ建築めぐり@タラゴナ周辺”

  1. meiji taisho showa より:

    素晴らしいものを見て来られましたね。 私もジュジョ―ルのこの作品は、見たい、見たいと思いながら、いまだに車がないので(タクシ―という手がありますが)行けていませんが。いずれ行きますが、いいものを見せていただきました

    • moritakazuya より:

      コメント有り難うございました。これらの建築のすばらしさもですが、移動中のスペインの田舎の景観も、忘れがたい印象的なものでした。ぜひ良い旅を!

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