Ratna Cafe - ラトナカフェ

 築80年の町家を、住宅兼店舗として改修した物件。改修にあたり建具、照明器具、壁土、板材など他の場所で廃棄されたものをできる限り使用し、既存部分はこの建物が建てられた当時と同じ技術で修復した。空間の新しい要素であるブリッジや土間、腰板には金属やレンガなど現代的な材料を持ち込んでいる。古いモノと新しいモノを的確に使い分けることで、建物が経てきた時間の「奥行き」のようなものを表現することを試みている。
 壁面の大部分を占める土壁には、流通している左官材料ではなく京都市近郊の道路工事現場で廃棄されていた粘土質の土をもらい受け、それを精製して使用している。丹波地方で「赤土」と呼ばれる山吹色をした美しい土である。設計者自ら材料を配合し、左官職人と工事を行った。伝統的な仕上げに加えそれらのアレンジによって、それぞれの場所に応じて異なる表情を持つ、多彩な壁面に仕上げられている。

DATA  
     所在地  京都市中京区岩上通り蛸薬師下がる東側
     設計   森田一弥、山田協太(森田一弥建築工房)
     施工管理  森田一弥、山田協太(森田一弥建築工房)
     建物概要  木造2階建
     建物用途  店舗兼住居
     面積  敷地面積/62.2平米 建築面積/52.4平米 延床面積/82.2平米
     工期  2002年02〜05月
     写真撮影 杉野圭

     施工  木・設備工事/(株)和田工務店 左官工事/井上良夫、森田一弥
     鉄工/角田鉄工所 塗装/山田協太、吉村耕一郎
     造園/水谷馨、松崎大輔、石川知海 家具/potitek(戸田直美)

     標準仕上 
      外壁  大津仕上げ、大津磨き仕上げ、鉄粉入り赤土水ごね仕上げ
      内壁 亜鉛鉄板腰板張り、赤土と土佐漆喰のハンダ藁すさ洗い出し仕上げ、
         赤土水ごね仕上げ、赤土と土佐漆喰ハンダ桐生砂洗い出し仕上げ
      床  土間コンクリートの上レンガ敷き
      天井  既存野地板現し
      柱梁  古色仕上げ(松煙、弁柄、柿渋塗布)