階段の曲線@ピソ

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これは我がピソへ上がる階段室の写真。モルタルに白いペンキが塗装されていますが、艶めかしい曲線で上へ上へとつながっていっている。昨日こちらでガウディの作品の研究で知られる田中裕也さんにお会いしていろいろとお話を伺ったのですが(話が弾み、ものすごく楽しい時間でした)、その会話のなかでこの階段室もガウディの建築を支えた技術であるカタロニア・ボールトと呼ばれるレンガ技術でできていると気付いたのでした。

この技術は薄いレンガを速硬化性の石膏でシェル状に積んで、それを型枠にして複雑な形状の天井/床を造ってしまう、非常に簡易で合理的な建築技術なのですが、日本ではあまり知られていない。ただ、ガウディをはじめとするスペインの建築家の作品の特異な形状はこの技術があって初めて成立したものらしい。

田中さんは「レンガを「積む」んじゃなくて、「葺く」んだよ」と表現しておられたが、この技術がスペインからアメリカ大陸へ渡ってシカゴの街を造り、中米ウルグアイではエラディオ・ディエステの作品につながるという話には「そうか!」と膝を打つものがあった。シェル構造を通常の型枠に頼らずに造るという意味では、先日のSSSプロジェクトコンクリート・ポッドととても近い存在なので、これまたいい課題を見つけたな、という一日でありました。

以下はエラディオ・ディエステの作品。数年前のA+Uでも特集されている。


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2 Comments

  1. 田中裕也さんに会ったんですか!うらやましい~
    思えば、高校時代にみた「ガウディ実測図集」
    田中裕也さんの著書でした。
    いまもガウディ一筋なんですか?

  2. もりかず

    高校生の時に「ガウディ実測図集」を見てたって、すごいねえ。
    僕は全く建築に興味はありませんでした、当時は。
    田中さんは実測をとおして体でガウディの建築を知っておられるので、その言葉には大変説得力がありました。すてきな方でしたよ。

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