石の校倉造@ガリシア地方

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フィニステレからサンチャゴ・デ・コンポステーラへの帰り道、ムーロスMUROSという港町で途中下車、一泊の宿をとった。

ムーロスの港には、漁船がたくさん繋留されている。山と海に挟まれた、美しい港町。

港に沿った道沿いの家々は上階にソラーナ、一階はアーケードとなっている。アーケード部分はかつての漁師の作業スペース。

このひなびた漁村での途中下車の理由は、サンチャゴからフィニステレの道中でたくさん見かけたオールレオと呼ばれる石造の穀物貯蔵庫を見るため。

イベリア半島の北西部、ポルトガル北部からスペインのガリシア地方、バスク地方にかけて分布していて、かつてバーナード・ルドフスキーの「建築家なしの建築」で紹介されて、広く知られるようになった。

単なる穀物庫としての機能以上に象徴的な意味もあるようで、道端の良く見える場所にい配置させられていることが多く、大地からすっくと立ち上がっている。

石の建築が細い足で軽々と空中に持ち上げられている様は、このヨーロッパばかりでなく他の地域との比較してもかなり特異な存在で、自分にとっては物珍しさ以上の意味があるように思える。サヴォア邸でコルビュジエが建築を空中に軽々と持ち上げてみせたように。

日本の正倉院と同じように、倉庫本体は空中に持ち上げられ、それを支える足にはネズミ侵入防止の丸い円盤がついている。

朽ち果てたオールレオの内観。内側の石の表面は、仕上げられないままの荒々しい表情。

石と石の間には空気が通るためのスリットがあけられているが、雨の侵入を避けるために外側に勾配がつけられている。

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2 Comments

  1. shinji miyazaki

    どうやらそのオルーレオはガリシア語でガナストレというらしいです。僕の友人の実家(カニサ)にいったときもやはりオルーレオはありました。なぜだか懐かしい気になりました。
    Murosで食べたタコが大変美味しかったことを思い出します。また行きたくなりました。
    偶然にも同じルートで驚きました。

  2. もりかず

    先日はどうも。宮崎さんもあと一ヶ月のスペイン滞在、ラストスパートですね。また食事に行きましょう。

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