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ローマ時代の水道橋で有名なセゴビアの街は、エスグラフィアドesgrafiadoと呼ばれる左官壁の宝庫でもある。マドリッドから二時間ほど電車に揺られてセゴビアに行き、一日中歩き回ってエスグラフィアドの写真をたくさん撮って来たのでここで紹介します。
エスグラフィアドについては以前にも紹介してい(スペイン編・モロッコ編)ますが、もともとはイスラム文化圏から伝わった左官仕上げ。スペインでもモデルニスモ運動のころは、J・P・カダファルクなどの建物の壁面装飾によく使われていたが、今ではバルセロナ周辺ではほとんど新たにつくられることはない
。一方でこのセゴビアでは、このエスグラフィアドを地域の建築的伝統と位置づけ、古いものの保存だけでなく旧市街の新しい建物にも積極的に壁面装飾として使っているようだ。
セゴビアの街並み。こんな感じでエスグラフィアドを外壁に施した建物が、旧市街ではかなりの割合を占める。
バルセロナのエスグラフィアドは、モデルニスモの頃のものがほとんどなので、アールヌーボー風のある程度具体的なモチーフのものが多いが、こちらはもっと単純で幾何学的。よりイスラム文化の影響が色濃く残っているといえる。
この建物も最近リノベーションされたばかりと見えるが、あたらしくエスグラフィアド壁を施してある。
その壁面のアップ。壁の色は二層に塗り付けたモルタルの下の層に着色してあって、一層目を削り落とすことで表に現れてくる。
こちらも旧市街の住宅の外壁。
かなり複雑なパターンのエスグラフィアド。
このパターンも珍しくて面白い。セゴビア中の壁のパターンを集めたら,それだけで一冊の本ができそうだ。
こちらは、白雪姫のお城のモデルになったといわれている、旧市街の端にあるアルカサル(イスラム起原の「城塞」を意味する言葉で、catsleの語源にもなっている)。この壁面にも全面にエスグラフィアドの装飾が.....。
白雪姫が住んでいたのは、実はイスラム風のお城でした・・・、という新事実の発見が、個人的には妙にうれしい。
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