田中泯+高橋竹山@京都

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10/2、舞踏家の田中泯さんと津軽三味線奏者の高橋竹山さんの共演が京都烏丸三条の素夢子古茶屋であるというので、山奥からのこのこと出かける。開演15分前に到着したが、けして広くはない会場は既に満員。何とか入れてもらって床に座って観る。
泯さんの舞踏を見るのはこれで三回目だが、楽器に合わせてというのは今回が初めて。以前は舞踏を見た経験もほとんどなく、踊りというよりほとんど酔っぱらいがふらついているのを見ているような気分だったが、今回は色々公演終了後と気づいたこともあった。
泯さんの舞踏は、地球の重力から自由であるかのようにつま先立ちで軽々と立ち、舞い、跳び上がるバレエと対照的に、地を這うように舞う。そして、壁の存在も彼の舞踏の動きにとっておおきな要素であり、壁にもたれ離れてはぶつかり、肉体と壁との対話もしくは格闘?を表現しているかのようだ。
竹山さんの三味線は、小さな会場のおかげで細かな音の表現がとても聴き取りやすく、また変幻自在の声があまり日本の民謡らしくなく、遙か遠いトルコやイランで聞いた、素朴な民族楽器の奏でる音楽を思い出した。
公演終了後、譽田屋源兵衛さんから今夜泯さんの着ていた「死・シ」と墨書きされた白い衣装は、浮世絵に残る初代市川団十郎の襲名舞台での衣装だと伺った。その趣向といい風貌といい、相変わらずこの人は、濃い。
10/4、大阪にて住宅の打ち合わせ。夕食をいただきながら色々とお話をしていると、静原の自宅+事務所がもとはそのクライアントさんの親族の所有だったとわかり、不思議な縁を感じる。そもそもの知り合ったきっかけも、僕がこのブログで書いたモロッコ漆喰「タデラクト」がきっかけだから、なおさらだ。
10/5、静原神社の秋の祭礼、御幸持ち(みゆきもち)。小雨の降る中、小学生の女の子4人が交代で頭に神様への供物を載せて、静原神社から集落のはずれの神社まで歩く。



油紙を張った和傘の美しいこと。

道中の稲刈りを終えた田んぼ。
10/6、京都精華大学で左官職人・久住有生氏のレクチャーがあり、出席させてもらう。何度か一緒に壁を塗ったが、麻雀の卓を囲むかサーフィンの海岸で馬鹿話をした中での会話がほとんどなので、今回はあらためて色々と興味深い話が聞けた。建築家だけでなく左官の世界でも、オイルマネーに沸く中東世界での仕事の話が、舞い込んでいるという。

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3 Comments

  1. いなと

    泯さんですか。すごみがありそうな人ですね。ボクのお気に入りの舞踏家は勅使河原三郎です。だーい好きです。

  2. サアヤ

    こんにちは。いなとさんの紹介でこちらにお邪魔しました。ミヤモトです。はじめまして。建築はともかく左官で世界と話せるってすごいですね。気になるトピックがいっぱいで。。あわわ。
    こちら奈良はススキ山・そして稲刈りが終了・柿柿柿です。

  3. もりかず

    ミヤモトさん、はじめまして。イナト君からお名前はお聞きしてました。奈良もとても季節感の濃いところですよね。また京都にお越しの際は、ぜひ静原まで足をのばしてみて下さい!

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