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韓国のレンガドーム建設は三週間目。

毎朝、日の出とともに起きて、その日の海と島の様子を眺めてからフェリーに乗って島へと優雅な出勤。

レンガは八割がた積み上がりました。写真は開口部の開け方を現場でスタディしているところ。今週からメンバーに滋賀県大の院生、井上さん小寺さんが加わり、野郎四人の現場に華やぎが。

当初はレンガを隙間を空けながら積んでいく予定だったのですが、レンガの性質や施工の能率を考え、隙間無く積んだあとからグラインダーでカットしていく方針に変更。これもわずか30ミリしか厚みが無いから出来ること。

作業はいよいよドームの頂点部分にさしかかる。

真っ暗だったドーム下部は開口部からの光が差し込み、外の様子も伺えるようになってきた。

そしてドーム頂点は最後のレンガを残すのみ。ローマのパンテオンのような円形の穴がぽっかりと。この瞬間はいつも感動的です。

ホコリだらけになった作業のあとは、たいてい現場からお風呂屋さんへ直行して、疲れを癒します。そしてその入り口にあるジュースとコーヒーと公衆電話が一体になった謎の自販機。電話が異常に下のほうにあって使いにくそう。先日、ビエンナーレの参加アーティストとしてテレビのインタビューを受けたのですが、それが繰り返し放映されているらしく、食堂やお店で何度か「インタビュー見たよ」と声をかけられた。

作業が一段落したのを機に、作業メンバー一同で慶州へ一泊旅行に出かけました。慶州は街の中に突然古墳がドカンドカンと鎮座している、不思議な街。そして古墳にはデカい樹が生えていたりする。

お寺のまわりの土塀も、大きな石をドカンドカンと積んだ、京都では見慣れないタイプ。

古い韓国民家を使ったホテルを予約していったのですが、これが正解。とても気持のよい中庭と、昔ながらのオンドルと和紙を貼った土壁のある、韓国式の部屋に泊まる。

本葺きの重厚な瓦屋根。垂木は丸太。

そして夜の食事は韓式定食。テーブル一杯にこれでもかと料理が並ぶ。

一日の終わりは韓国の若者に交じってビリヤード場でひと遊び。

そして、いよいよ四週間目の現場は仕上作業に移ります。