街を歩いていて今一番気になるモノは、バラバラの素材が組み合わされているけど美しいなあと思えるモノたちです。京都みたいな古い都市に住んでいると特に、古い景観が新しい建物によって破壊されていく、といった話になるんだけど、この大量輸送交通が発達した現代に、限られた素材とデザインで統一された街並みなんてあり得ないと思うんですよね。バラバラの素材や技術のブリコラージュ(組み合わせ)による創造物にも「美しさ」を見いだせるはず・・・ということで、コラージュ・シリーズ第1弾を紹介します。
コラージュ土蔵 No.1・・・奈良県宇陀郡室生村にて発見。漆喰壁と足下のモルタルの研ぎ出し仕上げはたぶん建設当時のもの。なぜか左右非対称に張られた焼き杉板とあえて全体に張らずに入り口上部にテキトーに張られたように見える波板鉄板、漆喰の剥がれた跡の土壁の表情が絶妙のハーモニーを見せています。僕らが普段するように、全体を一気にデザインしたのでは、まず到達できない境地。