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下鴨で工事が進んでいる「LOFT-house」のクライアントKさんが、この建物の屋根につける「鍾馗さん」を新門前通りにある瓦屋さんから購入してこられた。京都の町屋の屋根に載って、こちらを睨むように立っているやつだ。家に邪鬼が入り込むのを防いでいて、Kさんによると何か不幸があると鍾馗さんのパワーが足りないということで、さらに大きな鍾馗さんに替えるのが普通という。そのためか、お店には大小さまざま、表情も様々な鍾馗さんが並んでいたそうな。いつか見に行ってみなくては。
鍾馗さんを屋根に載せるのは聞くところによると京都独特の風習らしい。もちろん京都に来てその風習を知ったのだが、「鍾馗」という名前だけは小学校の頃から知っていた。第二次世界大戦末期の日本陸軍の戦闘機に二式単座戦闘機別名「鍾馗」という名前の飛行機があって、僕は当時の戦闘機が大好きでいつも飛行機の本を眺めていたからだ。アメリカの猛攻をくい止める本土防衛のために開発された戦闘機だが、この写真の鍾馗さんと同じように、ちょっとずんぐりむっくり型の機体で、似ているといえなくもない。