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今までずっと敬遠してきた「茶道」の世界に、職人仲間の誘いで顔を出すようになった。「稽古」という雰囲気とはほど遠く、ただ単純にお茶の時間と空間を楽しむ、という集まりなのが気に入っている。有名な重要文化財のお茶室で知られる近所のお寺の中のお茶室で、事務所から歩いてわずか5分という立地もいい。
まだ自分はお手前はせずに、お菓子とお茶を頂くだけで、喫茶店に行っているのとあまり違いはない状態。それでも週に一度か二度、吟味された素材と確かな職人さんの技で作られた本格的なお茶室で、日常と切り離されてゆったりと過ごすのは、残務に追いまくられているここしばらくの日々では貴重な時間。