ミースとかトラバントとか@ベルリン

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1月23から25日にかけてベルリンまで飛んできました。寒かったー。
ドイツ人が大挙してスペインにやってくるのがよく分かる。

今回のeasyjet便も片道20ユーロの格安便。ここしばらく移動を繰り返していることもあって、ヨーロッパの都市間の移動のしやすさに感服している。

まずは航空運賃の価格競争もあって移動費が安い。事前予約が出来なかったとしても、ヨーロッパの主要都市間ならせいぜい100ユーロくらいのものだ。そして空港からのアクセスも、バスを使っても30分くらいで市中心部に着くことが出来る。地方都市でも充分にヨーロッパや世界を相手にビジネスが出来る環境が整っている。

日本はいつまでたっても東京中心。決して日本の地方都市に魅力が無いわけではないから、基本的にこの差は政治の差なのだろう。実際、東京をはじめ首都に過度に人口が集中しているような国って(あえて例はあげないが)、発展途上国か政治的に問題があるような国が多い。

市内に残されたベルリンの壁の一部。この周辺ポツダム広場周辺は,かなりの開発ラッシュとなっている。

ただ、旧東ドイツに属していた場所でもそれほど開発の進まない場所もあったりして、バルセロナなどに比べると都市全体に不思議な落ち着きがある。それがベルリンをドイツの中でも比較的物価の安い、住みやすい都市にしているようだ。

ジャン・ヌーベル設計のギャラリー・ラファイエット百貨店。

この建物の目玉の円錐形のガラスアトリウム。ガラスがキラキラ光って、ちょっと見たこと無い空間をつくりだしている。

ピーター・アイゼンマンの虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑。地下に情報センターもある。日本ではこうしたかつての戦争の犠牲者(特に旧植民地の)への罪を悔い改めるための施設なんてあるのかどうかあまり知らない。

戦後は遥か昔のことなのに、ベルリンの中心部に、未だにこうしたモニュメントが新たにつくられている。モニュメント自体の目的は正しいし、ものの出来はいいし,あるに越したことは無いけれど、反省も度が過ぎると正直気味が悪い。

ミースのナショナルギャラリー。1968年ですでにこの空間の完成度。

リベスキンドのユダヤ博物館。僕が学生当時に雑誌でこのプロジェクトを見てびっくりした、想い出のプロジェクト。完成した実物も、ミースに対抗できるだけのインパクトのある空間。

二日目の晩は、ベルリンフィルのチケットを安く買えたので、コンサートを聴きに。いい音楽が,安い値段で気軽に楽しめる,ってのは文化の高さの証明だ。

最終日は、現地在住のアーティスト古堅太郎さんと福田恵さん(どちらもポーラ財団の奨学生つながり)にお会いして、彼らの関わっているプロジェクトの準備会場へ。古いレンガつくりの電車の整備場を転用した、アーティストの展示スペース。ベルリンはヨーロッパの中でも物価が安く、こうした展示や製作のためのスペースが確保しやすいとあって、世界中からアーティストが集結しているらしい。

彼ら二人の肩の力の抜けた雰囲気からも、ベルリンののびのびとした雰囲気が伝わってくる。また、世界中のコレクターもベルリンのアートシーンには注目していて、小さなギャラリーの展示作品でも買い手が付いたりするとのこと。確かに文化庁やポーラで海外に来ているアーティストでも、ベルリン在住の方はとても多いように思う。

その後,夜のフライトまで、ひたすらベルリンのギャラリーめぐり。こんな辺鄙な場所に?ってところに、とんでもなくアツいギャラリーが集まっていたりするのが面白い。こうしたギャラリーはドイツ人だけでなく外国人も含めたコレクターが新人育成、発掘の目的もかねて出資、運営しているらしい。

こちらは同じくポーラでベルリンに来て、活動している久保田弘成さんの作品。彼の作品の得意技?の一つはポンコツ車をぐるぐる回す、ってのがあるんですが、これは旧東ドイツの車トラバントを使ったベルリンならではの作品。

YOU-TUBEのなかでもその快心のパフォーマンスの様子が見れます。建築の世界でこういう、よく分かんないけど豪快でかつ爽快な作品て、無いなあ。ケンチクでアタマがガチガチになってしまってるアナタ、ぜひ御覧あれ。

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2 Comments

  1. 久保田

    どうも森田さん、作品の写真載せてもらってうれしいです。
    今度飲みに行きませんか?
    場所はどこになるかわからないですが、お会い出来るの楽しみにしています。

  2. もりかず

    ベルリンは表向きは落ち着いているけど、
    ひそかに新たなアートの血がたぎっている、
    そんな感じの街だと感じました。
    今後の活動も注目しています。
    今回はお会いできませんでしたが、いつかまた。

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