例年五月三日にある静原神社の祭礼は、静原の一年で一番盛大なお祭りで、この日のために各地から帰省してきた人たちで集落は賑やかです。

前日くらいから集落の辻には榊の小枝が立てられます。

神社の鳥居には縄が張られます。

祭り当日の午前10時、神様にお供え物をする「御幸持ち(みゆきもち)」の女の子が、神社の隣の集会所で身なりやお供え物を整え、静原神社に向かいます。

集落の中心の静原神社、下鴨神社と縁が深いらしく提灯には葵の紋が入っている。

本殿にて、最初のお参り。柏手を打って、正面、右、左と礼をします。

次に、京都市内から来ると集落の入り口にあたる「下の神社」へ向かいます。

こちらでも、神様へ供え物をして正面、右、左と三礼。

白装束の年寄り?を先頭に、御幸持ちの女の子は頭にお供え物を載せ、次の神社へ向かいます。

最後は静原川に注ぐ支流の脇にある、小さな若宮八幡宮でお参り。ここは子供を守護する神社とのこと。
午前中の御幸持ちは、こじんまりと行われるささやかな行事ですが、午後からは、大勢の人が見守る中、神輿の巡行がはじまる。

神社でお祓いをしてもらった後で、まずは、子供の曳く子供神輿と太鼓が先頭を歩く。

続いて大人の太鼓と本神輿が、静原神社と下の神社を往復する経路を練り歩く。京都に住むようになってから、神輿はずいぶん担いできたが、静原の白装束はとても珍しい。神輿の人数が少なくてほぼ担ぎっぱなしなので、最後の静原神社の登り坂はみんなヘバってしまってフラフラの状態で神社に帰り着いた。肩は担ぎ棒に打たれて真っ赤に腫れ上がっているが、心地よい痛み。

春の祭礼が終わる頃には静原のほとんど田んぼは田植えも終わり、これから秋にかけて稲がすくすくと育ち、実るのを見守ることになる。