ひさびさの町家の改修@京都

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新年が明けて、ぼんやりとしているうちにもう二月になってしまった。一月の初めに少し雪が積もっただけで、今年の静原は雪が少ない。まだ二月だから全然安心はできないけど。写真は、静原名物?「晴れてるのに雪が降っている」様子。

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1/26のアーキフォーラムでは、「建築の知性」と題して建築家の金野千恵さんとディスカッションをさせて頂きました。金野さんが振ってくださった質問にはあまりうまく答えられず、来て頂いた方にはチグハグな感じを与えてしまったような気もするのですが、2人のレクチャーはうまく内容がシンクロして、楽しんで頂けたようで少し安心。

 

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僕のレクチャーのパートでは、生物学の世界で知られた「ヘッケルの系統樹」と建築の「フレッチャーの建築の樹」(上図)を比較しつつ、前の世代の遺伝子を受け継ぎながら環境に適応していく生物と同じように建築をとらえていく面白さを、スペインを中心とするレンガ建築の歴史を例に挙げて紹介させてもらいました。ジャガイモが南米アンデスから世界中に広がっていく様子は、レンガ建築がスペインから南北アメリカ大陸に伝わっていく様子と、そっくりなんですよね。またどこかで機会があれば、お話ししたいと思っています。

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昨年から、京都市内で町家の改修を手がけています。実はここ数年は町家を手がける機会がなくて、実に6年ぶりの町家の仕事でうれしい。ろくに図面も描かず、現場で毎日泥まみれになっていた、独立当初の初心に帰った気分。

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近くに来たついでに、「河井寛次郎記念館」に10年ぶりくらいに立ち寄ってみた。

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高山の民家を参考にしたという室内は、京都の町家とはまた異質な、骨太なスケールでできている。土壁の仕上も、農家の納屋のような粗野な表情。床板は朝鮮張り。河井寛次郎さんの彫刻や陶芸作品も、すごく力強くて、いい。素材の力を感じる空間。

あからさまな素材の質感を消すように洗練を重ねて来た京都の町家の空間に、高山の民家が失わずにいた重厚な北国の民家の遺伝子が注入されている。

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庭に面した二畳の部屋から見る景色がとても気持がよい。

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敷地の一番奥には、八連の登り窯。日本の古い建築にはレンガ造ってあまりないけど、陶芸の窯は昔から基本的にレンガ造なんですよね。そして天井は、ヨーロッパや中東のレンガ建築と同じようなボールト天井。

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文化庁の面接で「スペインのレンガボールト工法を研究しにいく」と研修目的を説明したら、陶芸の専門家らしき方が「焼き物の竃みたいなものね」と言ってくれたことを思い出す。レンガボールト建築の系譜は日本では窯に受け継がれていたということか。

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そして我々の町家の改修。今回は可能であれば唐紙の襖を使いたいなあと思って、一年ぶりに「かみ添」さんを訪ねてみた。

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「かみ添」さんのお店も古い町家にあるのですが、日本の伝統建築に特有の、直射日光でなく床を反射した光が横から届くような空間では、唐紙の質感や表面の光沢がとても映える。アーキフォーラムでご一緒した金野さん設計の「向陽ロッジアハウス」の和室に、かみ添さんの唐紙が使われていたと聞いてびっくり。一年ぶりにお会いする嘉戸さんと、スペインや韓国の話などさせてもらってきました。

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