福井県鯖江市で8月20日 – 8月26日にかけて行われたアジア12カ国の24名の学生達との一週間のワークショップに、スタジオマスターとして参加してきました。
ヨーロッパの学生も個性豊かですが、アジアの学生はそれにも増して、それぞれ固有の文化に根ざした個性があるということを痛感した一週間になりました。

初日は、「pod architecture」というワークショップのテーマ説明のあと、それに関して各個人が自分の国の「家具以上建築未満の小さな建築」事例を紹介するプレゼンテーション。
翌日の午前は、敷地となる町歩きと基本材料となる杉を見に材木屋さんへ。

民家の裏山から竹を切り出す作業にも挑戦。

滞在している民家での食事風景。カレーが大人気。
個人的には、かなりハードコアなベジタリアンのインド人学生の食事メニューで食事を準備する皆さんが四苦八苦していたある日、コカコーラを「これはいいんだ」といいながら飲んでいたときが、最高に面白かった。

鯖江市河和田の集落の街並み。

冬は雪に閉じ込められる北国ならではの民家の形式が興味深い。

案を検討中の学生同士のディスカッション風景。

材料の調達からデザイン、施工までを一週間でこなすというハードスケジュールのなか、3チームの作品はそれぞれ、とてもユニークなものになりました。
最終日に行われた現地でのプレゼンテーション。皮付きの杉材を使った局面状の壁で、既存の公園の一体感を作り出す試み。

皮付き材の裏と表のテクスチャーの違いが生み出す表情がおもしろい。


制作チームで記念撮影。


こちらは神社の境内に設置した、水滴のような東屋。川が中心に流れる河和田の集落と水との関係をこの形に象徴させている。


集落の様子が良く見える。

こちらは普段は見慣れた集落に、違う視点を作ることで集落の別の魅力に気がついて欲しいという学生の気持ちが込められた階段のような展望台のような構造体。

杉材のつくる規則的な構造美と、竹材のつくる曲線美の対比が良い。

日本人だけのワークショップでも大変なのに、初めて海外に出たという人も含むアジア12カ国の学生が一つ屋根の下、寝食を共にしながら建築を作るという今回の試みは予想を超えるハードさでしたが、同時にここでは書ききれないくらいの驚きと感動の日々でした。
鯖江市の職員の方々、市長さん、河和田町の集落の方々、ワークショップを企画されている建築設計学会の方々、スポンサーのASJの方々などなど、とにかく色々な人の協力があって何とか成功を収めることができたと思います。
ということで、私も初の国際ワークショップのスタジオマスターという大役を、何とか無事に任務を完了し、ほっと胸をなでおろしているところです。
