漆芸家の東端氏の紹介で、家具職人の溝上吉郎さんの京北町の工房を訪ねた。五年間の修行を経て今年に独立したばかりの若々しい職人さんだが、自然に囲まれた気持ちのいい環境の中で広々とした工房を構えておられた。
古いプレハブを改装した事務所兼ショールームの片隅で、繊細な格子を組んだ木製の換気扇カバーに目を奪われる。現在手がけている下鴨の物件で、エアコンカバーのデザインをどうしようか悩んでいたところだったので、これならいけそうだと手応えを得た。あれこれ悩むより、とにかくモノがつくられている現場に出向くこと、人と会うこと、が解決の近道です。