工事の監理をしている大和郡山の築200年の民家で、瓦葺き替え工事が始まった。この真夏の猛暑の中、作業足場と養生用の布で囲われてしまって、住んでいる方も風が全く抜けずに大変だ。といっても屋根の上で作業している職人さんが一番大変なのだが。

古い民家の屋根瓦の下には、屋根土がてんこ盛りの載せられている。昔の瓦は屋根に固定されていないので、柔らかい粘土の上に載せて押しつけ、安定させるのだ。多少の雨漏りもこの粘土が吸収してくれる。

まず片面の瓦を撤去し終えたところ。瓦職人さんは熱射病にならないよう、こまめに休憩している。そりゃそうだ。

屋根の上から見る、大和郡山の古い町並みのいぶし瓦。建物の時代によって、瓦を焼く温度が違ったり粘土の産地が違うので、色や質感が微妙に違う。
自分も数年前のちょうどこの時期、お寺の屋根の上で漆喰を塗る作業をしたことがあった。なぜかそんな日に限って、休憩の時間に親方が「下まで降りるのが大変だろうから」と屋根の上までジュースを差し入れ。まさに有り難迷惑、炎天下での休憩、まさに嫌がらせ。昼過ぎに熱射病になってぶっ倒れ、病院へかつぎ込まれた。
上から照りつける太陽と、カンカンに熱せられた瓦からの輻射熱のダブル攻撃は、経験したものでないと解らない凄まじさ。しかもまた熱射病の症状が苦しいの何の、約24時間40度近い高熱でうなされて転げ回りました。懐かしくも苦い想い出。くれぐれも気をつけましょう。