*
バードハウスの仕上げ作業を行いました。この仕上げに使う材料は、「タデラクト」と呼ばれるモロッコのマラケシュでつくられた石灰で、とても水に強くて美しい艶のある漆喰に仕上がります。一昨年の夏、スペインからマラケシュを旅行で訪れ、現地の職人さんとタデラクトの仕上げ作業にも参加させてもらったのですが、日本での再挑戦は果たして上手く仕上がるかどうか。
まず、密封された袋にはいったタデラクト石灰の粉を、1.5ミリの篩(ふるい)で通して大きな粒を取り除きます。
着色用の顔料を、石灰に混入します。現地では赤や黄色や緑や青など、色んな顔料で着色されたタデラクトを見ることができます。今回は、赤と黄色の顔料を使いました。そして、水を混入して、よく混ぜます。
こんな感じに。この状態で、一晩置いて、石灰を寝かせます。
先日、ガラス繊維入りセメントでつくった下地の上に、コテでタデラクトを塗り付けていきます。厚みは3~4ミリくらい、あまり厚く塗りすぎるとその部分が割れてしまうので、ある程度均一に塗り付ける必要があります。
次は赤色のタデラクトの塗り付け。
表面が三次曲面ということもあり、コテではなかなか綺麗に塗れないので、スタイロフォームの板を表面にズリズリとすりつけて、表面の凸凹を均一にしていきます。大きくて平らな面は大きくて平らな板で、曲面は小さめの板で。モロッコの職人さんも、木片を使ってこの作業をしていました。
ズリズリ作業のあとは、プラスチック製のコテを使って、表面を平滑にします。最初は鋼のコテで作業しようとしてうまくいかず立ち往生しましたが、プラスチックのコテは柔らかくて曲面に馴染むのでうまくいきました。
次は、タデラクトの仕上げの一番の特徴、「石」を使った磨き作業です。日本の漆喰は、鋼製のコテを使って表面をつるつるに仕上げますが、モロッコのタデラクトは硬度の高い「磨き石」を使って、仕上げ作業をします。この「磨き石」のすごいところは、自然石の表面の曲面を駆使して、平らな壁だけじゃなくてどんな三次曲面でも平滑に仕上げることができることです。僕も、モロッコで仲良くなったタデラクト職人に譲ってもらった磨き石で、仕上げ作業をしています。
表面を仕上げてしばらくすると、今度は現地のオリーブ石けんを水に溶いて、それを車のワックスがけの要領でタデラクトの表面に塗ります。この作業をすることで、タデラクトの表面の撥水性能が格段にあがって、水が染み込まなくなります。あとは、急激に乾燥させないように日陰に置きながら、タデラクトが硬化するのを待つだけ。
この赤と黄色のバードハウスは、4月2日から4月5日まで兵庫県立美術館の「バードハウスの建築家展」に出展します。展覧会後は、六甲山の高速道路脇の料金所跡地に、山の鳥たちのためのバードハウスとして設置される予定です。設置後はなかなか見ることができないと思うので、興味のある方は展覧会でぜひ。
mika
バードハウスじゃなくて、作っている某氏の顔ばかりみちゃいました。(笑)
もう一回ちゃんと記事読まなくっちゃ。
もりかず
まずいなあ、スッピンを見られてしまった。
あとで画像修正しておきます(笑)。