建築家の塚本由晴さんから話を聞いたバルセロナ郊外の街にいってきた。

なんでもその街にはアンダルシア地方から移り住んだ人々が沢山いて、休みの日には鳥籠を持ち寄って集まるという面白い習慣があるらしい。

ウェブサイトに載っていた塚本さんの小さな写真を頼りに、グーグルアースで場所を特定し、土曜日の朝にメトロに乗ってROQUETE駅をめざす。

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駅の上に地中海を見渡せる広場がある。

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塚本さんが批判してたように、だだっ広い広場を持て余すように眺めのいい手摺から離れて東屋とベンチが置かれていて、なんとも残念な配置。これはあかんわ。

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ただ、その街の人たちの小鳥との暮らしぶりは微笑ましかった。まずは海が見えないベンチ脇の塀の上に小鳥のカゴを載せておしゃべりしている少年たちを発見。

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鳥カゴにはスズメより一回り小さい鳥が一匹づつ入れられていて、朝の日差しを受けて気持ち良さそうに声を響かせいている。

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その中でもひときわ声の良い小鳥のカゴをもってる少年が、「オレの良く鳴くやろ」みたいな感じで嬉しそうにゴツいおっさんに自慢している。こうしてどこへ行くのも小鳥の入ったカゴを下げて出かけて、小鳥の鳴き声を自慢しあうのがこのアンダルシア出身の人々の日常生活らしい。

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近所の家の窓際にも、鳥カゴが置かれて小鳥の声が響いている。

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この家も。家の中にいても、自然の中にいるように、小鳥の声を楽しめる仕掛けなんですね。

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広場のすぐ隣の路上には、爺さんたちが椅子を出してお喋り中。

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そこを通りがかったオジさんも、片手に鳥籠を下げている。カゴを持ち運ぶ時は小鳥を驚かせないために、どうもカバーをかけて目隠しするようだ。このカバーのデザインに、持ち主の個性が表れる。

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道路の先には地中海が見える。

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そして道端には筋肉ムキムキの兄ちゃんが、鳥カゴを持って歩いてた。この先のカフェにも、カゴを置いてコーヒーを飲んでる若い兄ちゃんあり。どうも小鳥を飼うのも持ち歩くのも男ばかりで、男限定の趣味らしい。しかも年齢問わず。(写真が遠いのは、怖かったからです。)

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車で通りがかった友達と、話し込む若いヤンキーの兄ちゃん。その傍らにも鳥カゴ。アラブ人顔負けの濃い顔つきで、肩にはタトゥーが入りまくりなのに、カバーは赤と白の水玉模様とカワイイ系。このカバーはアンダルシアで売っているのか、それともお手製?

そんなバルセロナの片隅に住む、アンダルシアの怖くてお茶目な男たちを見たければ、ROQUETEの街を訪れてみて下さい。