正面と背後に八瀬の山々を見上げることができる敷地。
外壁は杉板張り。室内からいつも山が見えるよう、高い位置に窓が付けられています。
玄関を入るとすぐ、大きな吹き抜け。
吹き抜けに面して、北山杉の大きな大黒柱があり、家の中心を象徴しています。
玄関脇に薪ストーブが設置してあります。
あえて低く抑えたダイニングキッチンの天井。
キッチンの天板には、使い込むほどに風合いの出る、チークの板を使っています。
薪ストーブの熱が、吹き抜けから二階へ回り、寒い冬も家全体が暖められるようになっています。
裏の畑を眺められる書斎では、子供たちがずらっと並んで勉強できる、大きな杉の一枚板のデスク。
正面に、比叡山の山並みが見えます。
タモ材の階段。右奥にトイレと浴室があります。
二階の大きな天窓は、山への眺望を確保すると同時に、夏期の熱気を排出して一階に涼気を呼びこみます。
二階の寝室。窓を開けるとすぐに下の階の様子が見えます。
寝室の窓も、裏の山並みや家々を切り取るピクチャーウィンドウとなっています。
壁紙には、表面の質感が豊かで調湿効果のある紙クロスを使っています。
お湯の冷めにくいホーロー浴槽と、タイル張りの浴室。
夕方の外観。
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「八瀬の住宅 / House in Yase」
kyoto city, 2009-2010
解説/
京都市左京区の八瀬に建つ住宅です。
敷地の広さから決まる建ぺい率と容積率から建物の床面積が限られていたので、内部にできるだけ大きな空間を確保できるよう、大きな吹き抜けを設けました。瓦葺き切妻屋根の家の形はこの地域に定められた風致地区条例に従ったものです。
まずは切り妻の形を利用して、家の中の空気を効率よく循環させ、快適な空気環境を実現することを考えました。夏の熱気は切妻の頂部近くに設けた天窓から排出し、玄関や裏庭からの涼風を室内に呼び込みます。冬の厳しい寒さに対しては吹き抜けの下に薪ストーブを設置して、屋根の勾配にそって二階に上がった空気が階段から下降させ、家の中全体に効率よくストーブの熱気を循環させるようになっています。
各部屋には周囲の家々からの視線を避けつつ、適切な位置に家の前後にそびえる山々の景色を 切り取る窓を設け、季節の移り変わりを敏感に感じながら毎日を過ごすことができるようになっています。
建築概要
所在地 京都市左京区八瀬
概要 木造二階建住宅
設計 森田一弥建築設計事務所
施工 数寄屋建築 渡邉工務店
DETA
Location : Kyoto city, JAPAN
Program : private house
Structure : wood
Built area : 55.0 sqm.
Total area : 79.3 sqm.
Land area : 135.0 sqm
Design : Kazuya Morita Architecture Studio
Construction : Watanebe-koumuten Co,. Ltd.
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