いよいよ、メーンイベントのコンクリートの塗りつけ作業。普通のコンクリートは型枠に対して流し込むのが常識なのだが、この超薄型コンクリートドーム製作のポイントは左官技術を使って鏝(こて)で塗りつけるというところだ。下地(型枠)の状態が普通の左官下地(材料が接着し易いように凸凹になっている)とは全く違って下地に接着しないようにビニールを張ってあるため、セメントやその他の材料の配合に工夫が必要になってくる。
ちなみにコンクリートの材料の構成は、白色セメント、ワラすさ(土壁用のワラの繊維)、ガラス繊維、パーライト(発泡スチロールの粉)。鉄筋なしで割れないようにガラス繊維を加え、総重量を軽くするために軽量骨材を使っている。また、鏝で塗りつけやすいように土壁用のワラすさを加えているのだが、それがコンクリートの表面に優しい表情を生む効果もある。