マラケシュのタイル建築取材のこぼれ話。

広場に近い道ばたでピカピカに磨き上げられた壷のお店を見かけた。

その店先で、素焼きの壷に何やら赤い泥のようなモノを塗りつけている男あり。俄然興味がわいて見ていると、表面が滑らかになったところで最後に黒い石で磨き始めた。これ、日本の左官技術で最高峰とされる「しっくい磨き」やんかあああ!!!それをこんな道ばたの小さな土産物屋のおっさんがやるなんて!!!といきなり初日からモロッコの職人に先制パンチを浴びせられました。

通りがかりのこの建物では、サーモンピンク色の壁一面がピカピカに磨き上げられていました。

これはリヤドと呼ばれるモロッコの伝統的な住居の中庭。伝統的な技術を使って修復され、現在はホテルとして使われている。

その中庭の床もピカピカに磨き上げられていた。

部屋の中の手洗いカウンターやバスタブまで、このマラケシュ版「しっくい磨き」で仕上げられていた。日本の「しっくい」は耐水性はある程度あるのだが、さすがにバスタブに使えるほど強くない。

というわけで、その謎を解くべくマラケシュ版「しっくい磨き」の現場を見学してきました。これは赤い顔料を入れた「しっくい」を塗りつけているところ。

ある程度表面を平らにして、最後に石を使って磨きをかけているところ。壷屋のおやじがやっていたのと同じです。

これが伝家の宝刀、磨き仕上げ用の石。職人さんはそれぞれ自分用の「マイ・磨き石」を持っているそうです。
この「しっくい磨き」は現地の言葉で「タデラクト」と呼ばれている。原材料である石灰の作り方から最後の仕上げの方法まで、この地域独特の技術で出来上がっていて、日本の左官技術しか知らない自分にとって「目から鱗」のノウハウが沢山ありました。またどこかでじっくり紹介しようと思うのですがとりあえず、こんな技術があったよ、ということで今回はおしまい。
世界は広い。
しっくい職人@マラケシュ
