昨年から取り組んでいる、空気膜を型枠にした左官ドームの研究は1/3モデルの強度試験を終えて、いよいよ実物大ドームを建設する準備中。9月30日に、滋賀県立大学の構内で協力会社の小川テックさんから借りた空気膜のバルーンを使って、実際の施工手順で左官ドームをつくる試験施工を行いました。写真はバルーンを送風機でふくらませているところ。借り物なので、形がちょっと不格好なのだけど。

空気膜にセメントが付着しないよう、いったんビニールのシートを被せた上に、麻のメッシュを被せる。これに軽量セメントモルタルが引っかかって、ドームの下地となるわけです。

塗りつけ作業。一部分だけモルタルを塗らずに、ドームの入り口にします。作業中、ドームの片面だけを塗り進めていたら、カツラがずり落ちるように麻のメッシュが滑り落ちそうになり、周囲を均等に塗り進めないとバランスが崩れてしまう、という教訓を得ました。

いったんドーム全体に15ミリくらいの厚みで塗りつけ、ドームの下半分は強度が必要なのでもう一度モルタルを塗りつける。
夕方に作業が終わり、モルタルがある程度硬化するまでの時間、すぐ脇の建物で麻雀をして時間つぶし。中国留学から帰国したばかりの川井くんに西安仕込みの麻雀でヤラれる。深夜にはモルタルがかなり硬化したので、送風機の電源を切って、フラフラになりながら京都に帰ってきました。

翌日送られてきた、空気膜を取り外したあとのドームの勇姿。そもそもの空気膜の形が本来のイメージとは違うので、なんだかオバQみたいな形になっていますが、2002年のコンペのアイデアがようやく形になったということで、感慨深いものがあります。