停電@アシャンプラ地区

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市内の広い範囲で停電があり、我が家もまんまとそのエリアにおさまってしまった。正午過ぎに始まった停電は夕方になっても復旧しない。我が家は明るいうちに料理をして夕食を済ませてしまったが、忙しい人はそうもいかないだろう。なんとか街灯は点いているが、信号も消えて建物はみな真っ暗闇の中。八百屋やバルの人たちは商売上がったりだとばかりに路上で途方に暮れている。
しばらくして外がなんだか騒がしい。停電に頭に来た人たちが「夕食を食べさせろ!」とばかりにフライパンとおたまを持って窓際に立ち、カンカンカンカンと打ち鳴らしはじめたのだ。またたくまに街路はフライパンの音の洪水となる。そのうち車もクラクションを鳴らし、爆竹に火をつけて投げる輩も現れた。音は写らないけど、写真はちょうどその騒動のクライマックスの時。真っ暗闇の中、みんな困ってんだね。普段は特に交流もない都市の住民同士に生まれた、ほんのひとときの一体感。
結局、大きな嵐にあったわけでもないのにこの停電が復旧したのは翌日の夕方。まさか「仕事は仕事」と電力会社の人たちがゆっくり食事に出かけていた、とは思いたくないけど案外その通りだったりして。ロウソクをともしての一夜は、そういえずいぶん久しぶりだった。

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2 コメント

  1. かっぱこ

    初めまして。あべよめのかっぱこです。リンクからブログを見させていただいています。アシャンプラの街区内の一体感は独特ですよね。昨年、チャンピョンズリーグをテレビ放送していたとき、バルサが点を入れるたびに街区の住民が叫んだり、鍋たたいたりの大賑わいだったことを思い出します。
    私たちもバルセロナから完全帰国して早1年経とうとしています。もりかずさんのたくさんのBCNの写真を見ては足かけ3年のアシャンプラの生活をなつかしく思い出しています。私たちの住んでいたRocafortのピソは古くていろいろ手はかかりましたが、明るく風通しがよく、キッチンはパティオに面しており、家にいる時間が長い主婦としてはとても居心地のいい環境でした。現地からの情報、美しい建築写真など楽しみにしています!おくさま、お子様にもよろしく。

  2. もりかず

    こちらこそはじめまして。
    あべさんのブログには常日頃からお世話になっています。
    知りたいことがあったらブログ内で検索かける、なんて事までしています。Rocafortのあたりもピソを探す時にずいぶん歩きましたが、とても雰囲気のいい界隈ですね。
    都市住民の一体感、ってお祭りだとかもっと周到に準備されたプロセスの中で生まれるものしか知らなかったので、先日の体験は些細なことがきっかけだっただけに、印象深い出来事でした。生活の不満でさえも、こうやってユーモアを交えて発散することで、逆に楽しんでいるようにすら見えてきます。
    8月を前に、人々はバケーションの準備に余念がないようです。ほんとに、生活を楽しむことに長けた人たちですよね。今月はドラサナスの語学学校へ集中的に通っていたので、あべさんご贔屓の魚屋にはずいぶんお世話になりました。それでは、いつかゆっくりお会いできるのを楽しみにしています。今後ともどうぞよろしく。

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