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ガウディと同時代にカタランボールトをアメリカに持ち込んで大成功した人がいた、と以前書きましたが、その人ラファエル・ガスタビーノの手掛けた建物がバルセロナには今でもいくつか残っている。そのひとつがアシャンプラ地区に今も現存する工業大学Universidad Industrial de Barcelonaの建物。当初はバトリョ家(ガウディのカサ・バトリョ(1905~1907)のクライアント)の紡績工場 Fabrica Batollo(1870~1875)として建てられ、その後工業大学としてリノベーションされて現在に至っている。

エントランス広場天井の放射状に広がるカタラン・ボールト。

地下部分はドーム天井が連続する。元は工場なので大空間だったあとを、壁をつくって教室にしている。柱は鋳鉄製。

独特の曲線を描く、カタランボールト工法による階段。

放物曲線のアーチがある建物(何の用途で建てられたか、調べてなくて分からないのですが)。ガウディが積極的に作品に用いて彼の特色でもある放物曲線だが、この時代は多にも色々と事例があるし、このガスタビーノの事例に関しては建設年代から考えても逆にガウディが参照した可能性もある。

天井のボールトに施されたエスグラフィアドの模様。