カタランボールト屋根の現場@バルセロナ近郊

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バルセロナ在住のカタランボールト職人・谷口達平さんの案内で、バルセロナの近郊の街マスノウの住宅建設現場を見学。今ではほとんど見ることが出来ない、カタランボールト工法による大屋根の施工現場。

最後の最後にようやく見ることのできた現場で、本当に嬉しい。もう少し早くジョルディさんと知り合って、できれば一週間くらいここで働きたかったけど、残念ながら今回は時間切れ。

仕事が終わる夕方六時頃にお邪魔して日が暮れるまでみっちり1時間、親方のジョルディさんも交えて建物を見て、施工方法や材料などの色々な質問をさせてもらった。

足場板に鉛筆で絵を描きながら説明する様子は、日本の建設現場の職人さんと変わりない。
職人さんの1日の仕事の流れとしては、朝は早くて7時45分から作業開始、途中で15分の食事休憩をはさんで1時まで作業。1時間の昼食のあと、2時から6時まで作業。それでその日の仕事は終わり、ということだそうだ。

スペインで夕方の6時というとまだまだ日が高くて、たっぷり買い物をしたり食事を楽しむことが出来る時間。早く仕事を終わらせて,自分の生活を楽しむ時間を確保する生活リズム。豊かですねえ。

作業に使う、レンガ鏝。右側の鏝が伝統的な形で、尖った角の部分でレンガを割ったり出来るようになっている。左側は現代風のレンガ鏝で、材料を壁に塗り付けやすい形になっている。

一層目のレンガを接着するのは、石膏yesoか即硬性のセメントモルタルcemento rapidoを使う。工事後に室内になる場合は一層目に石膏を使うことが多く、そうでない場合はセメントモルタルを使うらしいが、そのセメントモルタルの硬化速度が3分程度で固まってしまうというからすごい。

レンガをあらかじめ水に浸しておくのは日本と同じだが、ちょっと早めに引き上げて、いい塩梅の湿り具合にしておくことが、効率良く固定して作業するためのコツ。二層目以降はこの写真の袋の中にある、水硬性の石灰モルタルmortero de calでレンガを固定していく。

カタランボールト屋根の内観。ボールトのスパンはなんと15mもあって、一部に天窓が設けられている。

工事途中のボールト屋根。

レンガを積む時の基準の墨だし方法は定規(型板)を使ったり、糸を張るなどいろいろあるが,今回はこのようにアーチ状の定規2つを移動させながら、正しいボールト形状を保ってレンガを固定していっていた。

アーチ形定規を横から見ているところ。写真ではこの定規の上にレンガをのせて固定しているが、もちろん定規なしでもレンガを固定することは可能。

今回はボールトのスパンが15mと大きいのでレンガ一枚では構造的に不安定ということもあり、一枚目を積んですぐに二枚目、三枚目の層も石灰モルタルで固定して、ボールトの厚みを確保しながら作業を進めていた。

最後に、ボールト屋根をバックにおどける職人さん。

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1 コメント

  1. 池谷不律

    ヨーロッパ見物で聖堂めぐりの際気になるのですが、カテドラルのヴォールトはカテドラル(デビッド・マコーレイ岩波書店)で分かりやすいのですが、サンタマリアデルフィオーレのヴォールトは仮枠なしに作られていると書かれています。ヨーロッパ建築史 西田雅嗣編 昭和堂 P144
    ローマのパンテオンの時代どのように作られたのでしょうか。先のカテドラルのような図解された本がありましたら
    お教えください。私は引退した脳外科医で建築家ではありません。

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