20日の土曜日、事務所のメンバーで奈良方面への遠足。吉村靖孝さんのオープンハウスを最終目標に、色々と寄り道をしながら。まずは実は小学校の修学旅行以来、来ていなかった平等院鳳凰堂へ。

池の向こうから堂内部の仏像を拝む、という仕掛けは浄瑠璃寺と同じだが、建物の造形がよりドラマチックだ。今回は建物内部も体験できたのだが、両翼部分のスケール感とか、人が中に入ることを前提にしていない建築なので、かえって新鮮な体験。実は小学校の修学旅行で、僕は釣り針を持参してこの池のコイを釣り上げてちょっとした騒ぎになったのだが、今はなぜか池にコイは居なかった。
次に向かったのは慈光院。印象的なアプローチ。お茶のことを少しは学んだので、茶事の時の人の動きを色々と想像してみる。この書院は二畳ほどの小さな茶室へと至る動線の中継点なのですね。
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次に法隆寺。セサルは金堂や塔よりも工事中の講堂の丸太で組んだ素屋根や、僧が住んだという僧堂のような簡素な造りの建物により興味を示している。
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5時ごろようやく、吉村さんのオープンハウス。何とか日没前に間に合う。
家型の立面を並べた形式と傾けた屋根による採光は意図が明快でとても良かったし、傾斜した天井のスケール感も単調になりがちな空間に変化を与えていて、開口部なども細部まで気の配られたデザインだと感じたが、我が事務所のスペイン人二人は、家型が並んで建つという抽象的なイメージはプロジェクトならわかるが、それを実際の建築の細部まで徹底するのは違うのではないか、という感想だった。これは模型がそのまま建築になった(ように見える)日本の現代建築を見て、いつも彼らが言うことである。
最後に、奈良市内の遠藤秀平さん設計の車のショールームを見て、京都に戻る。そんな一日。