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昨年末から少しづつ進めてきたカトマンズ近郊の診療所のプロジェクトの打ち合わせのために、再び一年ぶりにカトマンズを訪れています。
中国の昆明からヒマラヤの8000メートル級の山々を右手に見て、無事にカトマンズ・トリブバン空港に到着、と書きたいところが、天候不順で空港が一時閉鎖されていて、バングラデシュのダッカに一時着陸。上空から見るバングラデシュは、ガンジス川の河口の浅瀬に浮かぶ水だらけの国、驚きでした。 予定より四時間遅れの夜八時に無事にカトマンズ到着。今回のプロジェクトを一緒に進めているJICA勤務の深田さんも、一週間の休暇を取って深夜カトマンズの宿で合流。
翌日はまず、カトマンズのJICAオフィスを訪問して、ネパールのNGO関係のプロジェクトについて、情報収集。その後、カトマンズ盆地の古都バクタプルへ。 変わらない赤レンガの建築群の佇まい。
ネパールのオヤジたちの佇まいも、変わらない。
そしてネパールでは、町の至る所に神様がいる、それも変わらない。京都大学で同じ研究室に在籍して、現在バクタプルにある大学の教授を務めているパントさんと合流、自宅に案内して頂く。
バクタプルから車で15分ほどの郊外の村、こんな田舎道の先にパントさんの自宅があります。
昨年はまだ工事中だった自宅が、無事に完成していました。レンガ積みの外壁や、赤い瓦葺きの屋根など、地元の一般的な工法を使った家なのですが、外観のプロポーションには日本の民家の影響が見られます。
内部の一階は、雁行型のプランに加えて吹き抜けなど、様々に展開するシーンとスケール感の変化に富んだ気持のよい空間。周囲の田園風景も、居ながらにして眺めることが出来るよう、窓の大きさと配置も素晴らしい。建築史家であるパントさんの建築家としての秘められた能力が垣間見れる。ネパールの住宅で、こんな空間は前代未聞なのでは。
南側の菜の花畑に面して設けられたテラス。
二階の部屋からの眺めも素晴らしい。
二階から三階へと至る階段。屋根の一部をガラスにして、階段を通じて一階に光が落ちるようになっている。
パントさん宅では、日本から二ヶ月前に引っ越された奥さんの手料理のおもてなしで、三日間ものあいだお世話になりました。ここは奥さんとパントさんが毎日絞りたての牛乳をもらいにくるという、お隣さんの庭先。とうもろこしやグアバ、パパイヤの実がふんだんに実っていて、ネパールの田舎の不便だけど豊かな生活が垣間見れます。ちなみに牛さんの名前はヒンドゥ教の女神と同じ、ラクシュミーさんというそうです。
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