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カトマンズ三日目、レンガのアーチをつくるワークショップ準備のため、Khwopa Engineering Collage に打ち合わせに訪れました。
事前に図面を送っておいた木製のフレームが、ちゃんと完成して準備してあった。ほっと安心。
ミーティングではまず、使用するレンガについて打ち合わせ。スペインでよく使われるような薄型のレンガが無いので、レンガタイルを使うことにする。厚さわずか12ミリ程度。
翌日、集まってくれたネパール人の学生たちとともに、作業を開始。アーチの足下からレンガを積み始める。
効率の良い積み方を生徒と議論する、パント教授。
レンガを固めている石膏の硬化速度がよく把握できず、ちょっと苦労しましたが、半日ほどで全体の1/3くらいまで作業が進む。
生徒と一緒に作業する大学助手のサンプルナさんは、ワークショップの責任者であり、診療所のプロジェクトの村の出身者でもある。
大学の前にある食堂の、豆と野菜を煮込んだ、ダルバートという定食。ネパールの一般的な食事。
一日目はこの辺りまで。
二日目の作業開始。一日目にレンガを積んだ部分には、補強のため薄くセメントを塗ってある。
学生たちも作業に慣れて、どんどんスピードアップ.
アーチの頂点部分を積む時には、落下物防止のためにバイク用のヘルメットを装着。一層目のレンガのアーチが完成して、二日目が終了。
三日目。セメント練りの作業はスコップで行うのですが、学生たちは結構上手い。普段から道端とかで作業する職人さんを見慣れているからかも知れない。
女の子も、ガンガンとセメントを練っています。
そしてアーチの上にメッシュ金網を敷いて、その上からセメントモルタルを塗り付けていく。ネパールは日本ほどではありませんが地震国なので、金網による地震対策は必須。
金網入りセメントを丁寧に塗り付けた後は、表面のレンガタイルを張っていきます。
見学者が絶えなかったのですが、ついにガードマンのオジさんも作業に参加。
アーチの両側のチームが競争するので、どんどん作業が進む。
三日目の昼頃には、頂点まであと少し。
それでも、ネパールの学生は粘り強く、丁寧に作業を進めていきます。手で物をつくることの文化が、今でも受け継がれているように感じました。
頂点のレンガをおさめて完成。
そしてみんなで記念撮影。なんとか三日間でレンガボールトを完成させるというミッションを達成して、ほっと肩の荷が下りました。
翌々日、大学を訪れてスタッフさんたちと型枠の撤去。
薄くて美しいレンガのアーチが現れました。感動の瞬間。
全体の厚みは、わずか5−6センチ。目標は4センチだったけど、上出来です。
側面からは、レンガとセメントモルタルによる構成がよく分かります。
正面から見た姿。建築学科の建物の正面に、これからずっと建ち続けます。
そしてパント教授と、記念撮影。
ネパール初のレンガボールト建設を、初心者の学生を主体に、三日間でこれだけの作業が出来たことは大きな自信になりました。
これから数年かけて、この工法を使ってカトマンズに診療所を建設、というのが目標になります。まだまだ先は長く、険しい道のりになりそうですが、一歩ずつ実現に向けて歩み続けるのみです。
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