3/9−15まで、フィリピンに出張してきました。目的は、昨年の震災と台風被害の復興プロジェクトのための予備調査。写真は18世紀にスペインによって建てられたボホール島の教会。と、教会付属の学校の教室。竹と椰子の葉でできた空間が美しい。
(iPhoneを現地でなくして、撮った写真も沢山無くしてしまった、悲)

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セブ島のサント・ニーニョ教会。鐘楼が地震で崩れ落ちている。

下は崩れ落ちた瞬間の動画。

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もっとも地震の被害が大きかったボホール島の教会のひとつ。完全に崩壊した教会もある中で、被害はまだマシな方だ。

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ドームの屋根は木造。

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崩れ落ちた教会付属の学校の屋根。

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教室の壁と屋根は、竹を編んだマットと、ヤシの葉を編んだ屋根でできていて、風通しがよく、気持良さそうでした。

教会の壁は、現地で豊富に取れる珊瑚石を使って建てられているのだが、その隙間を埋めている石灰モルタル(砂漆喰)が脆すぎる。硬化不良でビスケットみたいにボロボロ崩れてしまう。また、近代のコンクリートを使った増築・改修工事などにも原因がありそう。組石造が地震に弱いのもあるが、それ以前に色々と問題がありそうだ。

昨晩ちょうど、建築家の坂茂さんがテレビ番組「スーパープレゼンテーション」に出ていて、同じ現場を回っている様子が映っていた。案内している人は、この調査で我々もお世話になった人たちがちらほら。
http://www.nhk.or.jp/superpresentation/topics/140315.html

2001年の災害仮設住宅の国際コンペの審査委員長でもあった坂茂さんは、僕らが提出した空気膜型枠の左官ドームのアイデアと、それが地域の気候に応じて自在に変化する様子をとても評価して下さった。テレビでは現地の建築材を調査する坂茂さんが映っていたが、フィリピンで計画中の仮設の教会でも、やはり坂さんのトレードマークでもある紙管を構造に使用するらしい。

世界中の被災地に必ず駆けつける坂さんは本当に尊敬しているが、「紙管は安いし世界のどこでも手に入る」という番組内での主張は、本当にそうなのか?と個人的には疑問。どこの途上国でも紙管でシェルターを作る姿勢は、スチールとコンクリートを全面的に信用している近代建築とあまり変わりがないのでは、と思ってしまう。

実際に、案内してくれたフィリピン人のエンジニアも、この島に紙管の工場は無いし、他の島から運ばなきゃいけない、と肩をすくめていた。さて、我々はどうする?

Research trip in Phillipine after the earthquake and the typhoon disaster in 2013. Architect Shigeru Ban is going to built a temporary church with the structure of paper tubes as always he do. Is this the best choice there? and what can we do?