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京都北部の山あいの静原にも、春がやって来ました。自宅や事務所の整理で何かと忙しい上に、集落の行事が次々と押し寄せています。平日は出国前に完成した物件の現況の確認にいったりスペインでの記録を整理したりと何かと仕事がありますが、休日にも行事があって忙しいことこのうえない。ただ、あまり急かされている気がしないのもこの土地ならではなのだろうか。
先週日曜日は村の各所の大掃除があり、僕は集落の南の墓地へ続く道の清掃部隊に組み込まれた。軽トラックの荷台に乗せられて田んぼの中を走る気持ち良さ。集まっているのはほとんど60歳オーバーのお年寄りばかりなのだが、彼等のよく働くこと!さすが普段から農作業で体を動かしているだけのことはある。
自宅の所属する町内会で持ち回りになっているのが、我が家のすぐ脇にある祠のお世話。9軒の家が毎日各戸持ち回りで、夕方になるとロウソクを灯してお参りをしなくてはいけません。この祠は京都の愛宕神社の火伏せの神様が祀られていて、各家を火事から守っています。さらに毎年五月には当番の家が愛宕山にお参りして、各家の台所に貼る「火迺要慎(ひのようじん)」のお札をもらってくることになっています。
4月6日は「烏帽子儀」という、静原の集落に綿々と続く元服の儀式。お供えの松の枝には小さなカニがぶら下がっていたり、意味はよく分からないが面白い。17歳になった長男だけが受ける成人の儀式で、今では簡単な儀式だけになってしまっているが、かつては大勢の人を招いて豪勢に飲んで食べて数日で数百万円を使ってしまうほど賑やかなものだったらしい。
4月19日には「花祭り」といってお釈迦様の誕生日を祝うお祭りがあった(東南アジアでは「水かけ祭り」がこれにあたる。本来は4月8日に行うものらしいが、今年はその日にお葬式が重なったりして順延された)。村の子供たちがきれいに着飾って村の中を一周し、そのあとお寺でお経を上げて誕生仏の像に甘茶をそそいだ。釈迦誕生の際、空から甘い雨が降り注いだという伝説にちなんでのことらしい。いただいた甘茶は、砂糖が入っていないというのに本当に甘い味がした。
京都市内から静原に戻る途中、大原で見かけた満開の菜の花畑。都市化が進む京都市郊外も、北山通より北はまだあちこちにこんな田園風景が広がっています。
よしだちゃ
またまたメールしたので見てちょ