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京都市左京区に建設された公益財団法人のための資料館。

通常は山林で伐採されても規格外のため流通しない、安価な9センチ角のヒノキ材のみを用いて、最大スパン5.4mの木造二階建ての架構を構成している。材の断面欠損を避けるため、木材どうしの接合にはあえてホゾ加工を行わず、構造用長尺ビスのみを用いて固定している。

長さの短い3〜4mのヒノキ材を組み合わせているため多数の継ぎ手が生じるが、木材を何重にも重ねて用いることで継ぎ手の位置を分散させ、構造的な冗長性を高めている。と同時に、積層された大量の木材が生み出す空間の重厚さがこの建築のアイデンティティとなることも期待している。

外壁は伝統的な町家や土蔵のつくりを踏襲した仕様となっているが、竹木舞下地に土壁を何重にも塗り重ねた上に焼杉板を張ることで、火災時は防火壁として内部の資料を守りつつ、室内では一年を通じて安定した湿度環境を保つことができる。

冬季は屋根面で集熱した暖気を、夏季は地下水によって冷却された冷気を室内に循環させ、熱容量の大きい基礎コンクリートと室内の土壁に蓄熱させることで室内の温度環境を安定させ、空調による建物内のエネルギー消費を最低限に抑えている。


構造設計:満田衛資構造計画研究所 担当/満田衛資、海野敬亮

設計協力: 川端建築計画 担当/川端 眞

構造実験協力:京都大学生存圏研究所 担当/北守顕久

照明設計:デザインオフィス ルミノシティ 担当/小川 ユウキ


施工:昭和工務店 担当/中村高司、森下昌之

木工事:宮内建築 担当/宮内寿和、関岡舞美、合澤夕貴

左官工事:左官匠宮部 担当/宮部友之

塗装:境塗装 担当/境誠二

板金:勝見建築板金 担当/勝見孝弘

建具:山元建具店 担当 山元克司

タイル 竹村タイル 担当/北方良典

サッシ・ガラス:リクシル 担当/山本健太

自動ドア:リクシル 担当/玉田具視

材木:前田木材 担当/前田純二

電気:明星電工 担当/大石隆司

空調ダクト:明星電工 担当/佐々木真二

水道:伸興水道工業 担当/水江

ガス:住田建設 担当/河野裕久

地下水空調システム:スミコーホームズ株式会社 担当/長谷勝司

井戸:井戸掘り 辻 担当/辻聖光

外構:株式会社あしだ 担当/山口宏

造園:有限会社植泰 担当/寺嵜幸雄

看板:UEDAMOKKOSHO 担当/上田清人


写真:表恒匡


設計:森田一弥建築設計事務所

 担当/森田一弥、小寺磨理子、木村俊介