先日行った金沢で訪れた、兼六園の園内にある成巽閣という江戸末期の数寄屋風書院造りの建物。ここの目玉はなんと言っても大胆な配色の色壁。赤色の壁は伝統的な顔料のベンガラ、青色は1828年にフランスで科学的に合成されたウルトラマリンブルーという顔料。ウルトラマリンは海外から輸入された化学顔料のおそらく最初期のものらしい。
ちなみに天然のウルトラマリンブルーはアフガニスタンで採掘されるラピスラズリを粉にした、とても高価なものなんですが、古くはエジプトのファラオの墓や敦煌の仏教壁画などに使われていたものです。
小京都と呼ばれる金沢だが、この大胆な色彩感覚は京都にはないもので、良いものを見せてもらった、という感じです。色壁というと京都では遊郭建築の角屋を思い出したので、久しぶりに見に行ってみよう。