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記憶力の低下ぶりに暗胆たる気分になりながらも、毎日午前中はまじめに語学学校に通っている。大学はまだしも、職人さんと話をするにはスペイン語が話せないことには話にならない。
主に自分自身や出身国のことなどを会話の内容に取り込んで授業を進めていくのだが、これが出身国がバラバラなこともあって、スペイン語以上におもしろい。約20人の生徒の出身国は、中国が最多勢で5人、次がインド勢が2人、パキスタン勢が2人、あとはアメリカ、ドイツ、アイルランド、フィンランド、スウェーデン、ポーランド、トルコ、フィリピン、イスラエル、韓国、日本が一人づつという多国籍軍状態。
授業態度に国民性が表れるのも興味深く、たとえば東アジア勢が授業の内容が分からないときは「すみません、わかりません」という感じで申し訳なさそうに質問するのに、ヨーロッパ勢は「あんたの言ってること分からない」と開き直るし、インド系はよく分かっていなくても自分か理解したままに突っ走る、みたいな感じ。
僕の右にいる茶髪君は、YUKIと名乗っている日本フリークの中国人青年で、日本のテレビドラマが大好きで覚えたと言う日本語をかなり流暢に話す。ただ敬語はやはり難しいのか、初日に僕のノートの間違いを見つけて「ソレ、チガウダロ、****ダロ」といきなりタメ口だったのがおかしかった。