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7月14日夜は、事務所のある静原の集落で「虫送り」という行事がありました。この行事は昭和の中ごろまでは稲に付く害虫を追い払うために全国各地で行われていたのですが、宅地化などの影響でその風習が残る地域も激減してしまったらしい。
農作物の害虫は悪霊がもたらす、ということで悪霊を追い払うために竹の松明に灯をともして太鼓やかねの音ではやしながら、村の田を一巡して村の境まで送り出します。子供たちが太鼓に合わせて「おーくれ、おーくれ、田の虫おーくれ」と掛け声をかけ、たいまつを手に田んぼの広がる道を練り歩きます。
ちらほらと蛍が舞う真っ暗な闇夜に、竹の筒と松の薪でつくった松明の火が赤々と浮かび上がり、なかなか幻想的な風景でした。