先日、モロッコ漆喰「タデラクト」で津島の住宅の薪ストーブ台を仕上げました。

これは軽量骨材入りモルタルで作った下地。

愛知県の腕利き左官職人 川口正樹さん、赤と黄色の顔料で着色したタデラクト石灰の塗り付けを開始。

おそらく日本で一番タデラクトに詳しい左官職人、大森基伊(もとよし)さんも、わざわざ東京からこの現場に参戦。

そして京都からは久住浩輔氏が参戦(右端)。

一時間ほどで、塗り付けが完了。

表面にノロを浮かせて、コテを当てるとだんだん光沢が出始めた。

大森さんが持参したタデラクトの磨き石コレクション。モロッコの職人さんにもらった一つ以外は、河原で拾ったり石屋さんで仕上げに使えそうなものを買ったりして増やしたそうな。

タイミングを見計らって、磨き石を当てて艶を出していく。

午後には名古屋の左官職人 坂井直幹(なおき)氏も参戦。ちなみに彼は愛知万博で好評を博した「サツキとメイの家」を手がけている。

他にも現地の職人さんが助っ人、見学にたくさん来てくれた。みんな研究熱心で、作業をしながら色々知恵を出し合って、うまく仕上げるための方法を議論しているところ。モロッコの漆喰とはいえ、気温や湿度や下地など全く条件が違う場所では現地と同じ方法は通用しない。現地の方法は参考にしながらも、日本の漆喰磨きの方法などを応用しながら、臨機応変に状況に対応していく様は見事というしか無い。

日が暮れるころには表面がピカピカに光りだした。

初日の仕上がりの様子。

翌日、再び現場を訪れて、黒石鹸を溶かした水を霧吹きで塗布して再び磨き作業。この作業で表面の撥水性能が飛躍的に向上する。その化学的メカニズムも現場で色々と話しているうちに、おおよそ理解できてしまった。これは日本の漆喰にも応用できるかもしれない。

最後にプラスチック製のヘラで、ツヤを圴一に仕上げる。


完全に仕上がった様子。ストーブに火を入れるのは、一週間ほど乾燥・硬化の期間をおいてからになる予定。二月上旬に、オープンハウスをさせて頂くことになりそうなので、乞うご期待。