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ポルトガルの駅は、シザやソウト・デ・モウラ、カラトラバなど現代建築の巨匠が手がけているものが多くて見所の一つなんだけど、個人的に好きなのがポルトのカンパーニャCampanha駅の屋根。ちょっと調べても誰が設計したのか、わからなかったのですが、乗り換えのたびに見とれてしまうくらい。

一方で、駅舎の方はこのとおりポルトガルの典型的な花崗岩+漆喰のクラシックなデザイン。この駅につける上屋根だから、という理由で中途半端なポルトガル風にするのでなく、思いっきりモダンで合理的な構造を採用する、という割り切りがいいじゃないですか。

 

その結果がこれ。パラソル型のHPシェルを並べただけのシンプルなもの。ですが、それゆえ、美しい。

ホームに落ちる光と、それを受けて鈍く光る屋根の連なり。見事です。

色々な配線が這いずり回って見るに耐えない日本の鉄道の駅も、やれば出来ると思うんですが。

まずは、日本の多くの人が、プラットホームの屋根であっても美しいものであって欲しい、と真剣に思えるようにならないと駄目ですね。そのためにも良いデザインのものは、有名無名に限らず紹介していかねば、とこの文章を書きながら、心を新たにしました。