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御所西の町家改修の現場、ボチボチと進んでいます。先週までで、和室になる部分の床の下地を組んで、痛んだ古い柱の差し替え作業。

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痛んだ古い土壁の様子。竹小舞、荒壁、ムラ直し、中塗り、と塗り重ねられた層の様子と、それぞれの土の色の違いがよくわかる。

ここの荒壁の土は、とても色が濃い茶色をしているのですが、実はこれは現代では高級な仕上用の土として珍重される聚楽土。昔はこのあたりの地面から幾らでも聚落土が取れたので、そのまま荒壁に使うことも普通の事だったのでしょう。

そうそう、告知するのを忘れていましたが、先月6月13日に総合地球研究所と京都精華大学の共同企画である「茶室のエコロジー」というレクチャーシリーズの第七回目として大徳寺王林院で「茶室と壁」というレクチャーをさせて頂きました。ここのお茶室「蓑庵」は、拙著「京都土壁案内」でも触れていますが、利休が始めた草庵茶室における土壁の一つの到達点とも言える素晴らしい土壁です。そのお茶室に二時間も入り浸って、参加者の方々に土壁の解説をさせて頂く、という至福の体験をさせて頂きました。

最後に、七月に二回、京都市内の大徳寺近くの町家で土壁/漆喰塗りのワークショップをします。古い町家の傷んだ壁を一通り塗り直すのが目標なので、自分で鏝を持ってゴリゴリ塗る事が出来る、かなり実戦モードのワークショップです。興味のある方はこちらへ。