レンガドーム@滋賀県立大学

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今年の四月から滋賀県立大学の大学院の授業でレンガのドーム建設に取り組んでいます。

使うレンガは最小限のセメントで土を固めたソイルセメントのレンガ。焼成レンガの設備がない地域でも、地元の土を最大限に使って建築用のレンガをつくることができます。

ドームをつくる工法は、カタロニアボールト工法というスペインのバルセロナ周辺で使われていたレンガ積みの技法に挑戦。アントニオ・ガウディの作品のもつ自由自在な形態は、すべてこの工法でつくられています。4月と5月は学生たちと工法について色々と資料集めをして、6月からいよいよ建設にむけて準備を始めました。

まず、「まさ土」と呼ばれる園芸用の土に白セメントを15%程度混入して水を加えて練ります。

そうして練ったソイルセメントを、合板でつくった型枠に入れてコテで平らにならし、型を抜きます。

こうしてできた生のソイルセメントレンガを、上にシートをかけて乾燥を防ぎつつ、一ヶ月ほど硬化させました。

6月末になり必要なレンガの数も確保できつつあるので、ドームの足となる部分に基礎コンクリートを打設しました。

ドームの開口部となる部分に、アーチ状の型枠を設置します。ドームの平面は敷地にあわせて変形した四角形なので、それぞれのアーチの大きさが異なります。

基礎から立ち上がるように四つのアーチを固定したところ。

まず、このアーチ型枠に沿ってソイルセメントレンガを固定していきます。固定するのに使う目地材は、セメントではなく、焼き石膏です。これがカタランボールト工法の秘密の一つなのです。水を加えて2〜3分ほどで硬化するので、レンガを手早く、しっかりと固定することができます。

レンガがアーチ状につながると、力学的に安定します。ただ、まだ横方向に力を加えるとアーチが揺れるような状態です。

アーチの間を埋めるように、ドームの足の部分のレンガを固定し始めました。

アーチ同士がつながって、次第に横方向にも安定してきます。

ドームの直径は4.2m、高さは3.6mでかなりの大きさ。

この工法の優れたところは、アーチ部分など最低限の型枠さえあれば、あとは空中に張り出すようにしてドームやボールト状のレンガ構造をつくることができることです。また、作業に必要な足場も、簡易な設備で大丈夫です。

だんだんドームの高さが高くなってきました。でも、脚立以外の足場は特に必要ありません。以前同じ敷地で試みた空気膜型枠ドームの作業風景を比べても、いかに簡素な設備で建設が可能か、分かると思います。

さらにこの工法の良いところは、どんな初心者でもすぐに作業に参加できること。コテで壁を塗るより、レンガを積むのは、すいぶん作業に参加する敷居が低いな、というのがこの作業を初めて感じた印象です。

ソイルレンガの色合いや質感がイタリアの大理石のトラバーチンに良く似ているので、ローマの遺跡にいるような気がしてきます。

昨日は、学外から強力な助っ人、というか若くて生きのいい注目株の建築家の今津康夫さん、垣内光司さん、家成俊勝さんと、家成さんの教え子の山崎さんが来てくれました。ありがとうございます!!!

レンガがある程度の高さまで積み上がると、そのレンガを型枠にしてラス金網を張りソイルセメントを塗りました。スペインでは通常は二重か三重にレンガを重ねるのですが、今回は耐震性を考慮して金網を入れてセメントで固める仕様にしています。

来週の作業予定は26日(火)と29日(金)、時間は9時から18時まで、誰でも作業参加はウェルカムです。ソイルブロックを使ったカタランボールト工法によるドーム建設は、海外ではいくつか例はあるものの、日本では初の試み、要注目ですよ。

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